回復したい日々

いろいろ書いてます

ここだけの話

 

趣味はなんですか、と聞かれることがよくある。というより、趣味とか好きなものの話は当たり障りのない会話であり、天気の話くらいの軽いジャブみたいなものだ。なのでだいたい読書とか散歩とか、それっぽいことをテキトーに答えていて、そこまで頭を使って趣味や好きなものに対しての思考を脳みそのキャパシティに割いてこなかった。

 

本日、某アイドルグループのひとりがアイドル活動を卒業、そして芸能界も引退するらしい。彼女を推していた僕の友人は非常に悲しんでいて、誰に向けるでもない、行き場を無くした感情を言語化してはSNSに投稿していた。僕はアイドル等にそこまでの興味がないため、完全に他人事だった。へえ卒業するんだ、くらいの気持ちしかなかったと思う。しかし、会ったこともない、言ってしまえば容姿が良いだけの他人にそこまで熱意を傾け、喜び悲しむことができる友人を見て、少し羨ましさを感じていた。

僕は昔から何かに熱中するといった経験があまりない。野球やサッカーといった、男の子が好きそうなスポーツにもあまり興味がない。もっと幼いところへ遡れば、カードゲームなどのホビー系にも肩入れした記憶はない。唯一ゲーム等は人並みにやってはいたが、それでもドラクエ等、大人になっても愛されているゲームというのはあまりやったことはない。記憶に残る中で僕が一番楽しいと感じたゲームは確かチンクルである。面白いのでオススメである。

 

少し話が逸れたが、要は僕に趣味というものがない、ということに気がついた。ちょっと好きになって色々調べたりするものはあるが、少し調べた程度で飽きてしまい、さらに深くまで掘ろうとはならない。かと言って好奇心旺盛に様々なことへ手を出すということもない。基本はものぐさで面倒くさがりなのである。別にそんな自分を悲観したこともないしこれからする予定もないが、我が事のように卒業を悲しむ友人を見て、なんだかすごく人間らしい、高尚な姿のように思え、やはり少し羨ましさを感じたのである。

しかし、それでも僕は何かに傾倒したとて、行き場のない感情を誰かと共有せず、自分の中で咀嚼し消化するだろう。僕は好きなものを好きだと言うことも苦手なのである。嫌いなものを嫌いだと言うのは、すごく得意なのだけれど。