回復したい日々

いろいろ書いてます

ロックンロールじゃ踊れない

 

社会人になって4ヶ月が近づいている。

全国各所でそんな新卒は現在、月曜日を終えた達成感と、まだ4日もある平日への絶望に想いを馳せ横たわっていると思う。東京から名古屋へと拠点を変え、慣れないどころか初めての生活に順応しつつある私は、いまさらようやく学生に戻りたいと強く願っている。かつてのあの心地良い生活、何をしても責任はなく、何をするにも無敵であった。ただ面白いことだけを追求し、たまにバイトをしていればよい日々である。やり残した後悔などを振り返るわけではない。ただただあの日々に戻りたいとそう感じていた。

 

問答無用で朝早く起きなければいけない、なんて毎日は人間に向いていない。朝目が覚めるたびにこれからの労働に涙を流しそうにもなる。それでも欠勤に踏み切れる度胸などなく、いつか諦めて寝床から這い出るのだった。直したくもない寝癖を直し、磨きたくもない歯を磨き、着たくもないワイシャツのボタンを留める。エアコンを止め電気を消し、忘れ物がないことを確認して家を出たころにはようやく諦めがつく、なんてことはない。普通に行きたくないし暑さにも絶望している。夏はもっと嫌いなのである。

 

東京ではペーパードライバーだった私も、名古屋に来てみればそういうわけにもいかない。業務上車を運転しなければならず、助手席の先輩にああだこうだと指示を受けながら不慣れな運転をこなしている。私の日常は名古屋に来てから一変しすぎではないだろうか。けれどこの点においてはわずかながら感謝しないでもない、運転はできた方が格好いい。ただもう少し段階があるだろうと、そういう話である。名古屋の運転は荒い。赤ちゃんにとっては生存が難しい。まだ奇跡的に事故ってはないが、できれば一生事故りたくないものである。もう少し教習所のビデオをしっかりと見ておけばよかった。けれど当時の私もまさか名古屋に配属されるとは考えもしないだろうから、無駄な反省である。

 

メンタルが病むことは案外無い。職場自体は優しい人がたくさんいて、パワハラとは無縁そうなところだ。名古屋であることを除けば文句など一つもない。名古屋が東京の隣にあればなおのこと文句はなかった。一人暮らしでも寂しさは特になく、むしろいつ何をしてもなにも言われない気ままさは私に合っている。洗濯も、自炊(と呼ぶにはあまりにお粗末だが)も思ったより面倒なものでもない。朝も起きられるため、そういう意味では不都合はなかった。ただただ東京に未練がありすぎるだけである。

 

名古屋に友達はほとんどいないため、休日は基本ダラダラするか、たまにパチンコを打つくらいだ。ろくでもない日々である。勝って負けてトントン、たまに出かけようと思っても特にやることもなく、散歩に終始するだけ。それはそれで楽しくもある。ただひたすら、休みが終わることへの小さな抵抗を繰り返しているのだ。とにもかくにも、明日仕事に行きたくない。これはそういう主張である。