回復したい日々

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メモリーズ

 

半袖で過ごすには肌寒い季節が訪れ、とうとう夏も終わったかと思えた。僕は基本的に寒い季節の方が好みなため、ようやく長袖を着ることができるとわずかな喜びを噛み締めていたのだが、そんな期待を裏切るかのごとく暑い1日はやってくる。大掃除のついでに衣替えも済ませた翌日のことだった。目を覚まし、肌で感じる若干の熱に若干の気だるさを覚えつつ、そう簡単に夏はくたばってはくれないのだと感じた。

学校へ行く際、気まぐれに水筒を作っていくのだが 今朝は少し寝坊したこともあって水筒は持参していなかった。なんとなく水を買うのは馬鹿らしく、とはいえジュースが飲みたい気分でもなかったため、昼休みの食堂で飲む水を折り返しとした。久々に訪れた食堂はやはり混んでおり、そのことからも学校はもう始まってしまったこと、休みはもう終わっていることを感じる。久々に食べた唐揚げ丼は、久々なのにいつも通りの味がしていた。

授業が全て終わり、もう学校に用はない。しかし、久々に学校へ来たのに友人と1人も会わず、会話せず帰るのはなんだか寂しく、用事もないのに普段からそこまで話さない後輩の群れに加わった。人と会話する喜びと、少し浮いている自分と後輩たちとの若干の戸惑いのギャップを身に受ける。慣れないことはするものではないと思った。

結局、顔見知りの友人と巡り合うことはできず、少しゆっくりと駅までの道を歩いた。僕と同じタイミングで帰宅する人も多く、雑踏の中に紛れた自分の足音は、後ろから走ってきた自家用車のエンジン音によって完全にかき消されている。耳から流れる音楽までもがかき消されてしまい、スマホを操作して音楽を巻き戻す。そうして流れ直した音楽に心を委ね、明日から始まる繰り返しの日々に思いを馳せた。