回復したい日々

いろいろ書いてます

幻想

2020年も半年を過ぎた。

 

6年間苦楽を共に過ごした友人と会えない日常にも慣れてくる。この時代、直接会わなくても話はできるし、そもそも去年は浪人して精神が孤独だったので、今更会えない苦痛など感じるわけがない。Twitterに流れてくる誘われていない遊びの写真を見かけては、さっさとスクロールをして見ないフリをしていた。

 

なんだかコロナが再流行しているが、世間はもう遊んでいい雰囲気が蔓延している。あるいは自分でそう思っているだけかもしれない。いずれにせよ友人たちは次第に遊びに出かけたり、ご飯を食べに行ったりしているようだ。もちろん私は誘われていないが、風邪は治りかけがいちばん大事なのと同様、いまの時期に人と会おうものなら感染まっしぐらだろう。そう結論づけて早々とInstagramのストーリーを閉じた。

 

先日、ある友人から遊びのお誘いの連絡を受けた。晩ご飯をいっしょに食べないか、ということらしい。メンバーは学生時代によく一緒に遊んだ面子である。断る理由などどこにもないが、了解の返事をする前にふと気になったことがあった。メンバーのうちの1人の最近の消息を、私はまるで知らない。なんだか胸騒ぎがして、私はTwitterを開いた。自分のフォロー欄から彼を探す。しかし、名前を変えたのだろうか、あるいは不安な私の心の弱さからか、見つけられない。心を落ち着かせて探すと、そこには鍵垢でツイートを見ることができない彼のアカウントがそこにはあった。30分後、私はご飯には参加できない、と唇を震わせながら返事をした。

彼氏の家に遊びに向かう姉の背中を見送りながら、私はひとり、涙を流した。