友達と会った。
約1年ぶりに会ったが、ほとんど見た目に変化はなかった。相変わらず太っていて、ひげも濃いし、鼻毛は伸びっぱなしの無法地帯。そのことに安心した。
ご飯を食べる約束をしていたので、彼の希望でうどん屋へ向かった。結構な人気店なのか行列が出来ていて、しかも全員女性だった。タピオカかレモネードでも取り扱ってるのかとボケてみせたが、ややスベった。
食べ終わったあと何をするのか楽しみにしていたが、どうやら今日はこれでお開きらしい。確かにご飯を食べる約束だったが、久しぶりに会うのにそれは冷たくない?と思った。付き合って2ヶ月くらいのカップルが言いそうだなと思い、恥ずかしくて言えず。結局解散した。
自分の期待値とあまりにかけ離れた1日で思わず悲しくなる。自分だけが学生時代に取り残され、まわりのみんなは新しい環境へ飛び立っていた。おそらく他の日のご飯の約束もこうだろう。高校の友達はずっと遊びがちだよと色んな人から言われたが、そうでもないのかもしれない。なんだか自分が惨めになった。
親に遊びに行くと言った手前、すぐ帰るのはダサい。電車に乗らないで歩くことにした。何度も歩いた街並みなので、これといって新鮮な気持ちも、楽しい気持ちも湧いてこない。たまに見かけるドラッグストアに入っては、マスクの品切れを確認するくらいだ。コロナが流行っていても自分に関係ないうちは世界が大きく変わることもないなあと思う。
そうして家に着き、自分の部屋へ。楽しかったがどこか物悲しい1日だった。そうは言っても、いつかこういう事に違和感を持たない日が来るだろう。それを成長と言うかはともかく、いま感じている幼稚な虚無感を言語化しておこう。いつか大人になって、思い出せなくなる前に。